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気配・空へ-京橋会館 [京橋会館]

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(FUJIFILM FINEPIX X100 / adobe Lightroom3.4)

 

 

 

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永々とお付き合いいただきました「京橋会館」シリーズも終了です。

お盆に行われた京橋会館の公開イベントでの写真を小出しにしてきました。
もうすぐ解体工事が始まると思うので、最後の機会でした。

広島の建築の中でも好きな建築の一つでしたから、色々な思いがあります。
住民が全て転居して、住む人のいなくなった集合住宅。
きっと全住民が居たであろう時以上に人が行き交う中、これまでは見ることの叶わなかった住戸内も見ることが
できて最後にいい経験をさせてもらいました。

 

この建物は住宅でした。
幾つかの店舗、住宅からなる集合住宅。
それが築後年月が経つにつれ、その間取り、仕様の古さからか入居者が減り、老朽化により姿を消そうとしています。
市営住宅ですが、高度成長期に建てられたような階段室型の画一的な住棟が立ち並ぶのはなく、ロの字型住棟の
街へのファサードと、中庭に面した内へのファサードとをもつ今では珍しい建物です。
だから、私も好きですし、ここを見学に訪れた他の人たちもそうだったのだと思います。
近年はただ古びていく姿に別の魅力を感じる人たちも多くいたようですが、少ないとは言え幾らかの住民がいた間は
この場所は生きていました。
そして、ここで普段の営みを送る人たちが居たのです。

そんな人の気配を感じとろうと思いながら建物の中、周囲を歩きました。

 

この建物に、本当に他の集合住宅にはない文化的な価値を私のような建築業界人や行政の人間が感じていたのなら、
完全に老朽化する前に、手を尽くしたり、提案をするべきだったのでしょう。
この建物、設計者は不詳のようですが、建築は作品ではありません。
「作品」にすると完成した時が完成形でありベストな状態となってしまいます。
特に住宅は、人が住んでこその建築。
人が住み始め、人と共に時を刻みます。
ですから、そこに住む家族の成長と共に、社会の変化と共に建築も変化していくべきです。
建った時のまま、変化をしようとしなかった、させなかったここは、ただ老朽化という時を刻んでいたのでしょう。

ファインダーを通してみるこの場所の姿に、何十年か後の基町高層アパートの姿が重なったように感じました。
本当にそう感じる時が来ないように、自身の反省と思いをダラダラと綴ってきました。

 

 

 


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