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軍艦島 [街]

2008031101.jpg
(SONY α700 / Carl Zeiss Vario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5 / adobe Lightroom1.3.1)

川の対岸に見えるマンション群。
低層から高層まで、規模、形式はさまざまです。
川の護岸と相まって、なんだか軍艦島みたいに見えませんか?

実は私、建築設計を生業としていますが、若い頃から共同住宅、いわゆるマンションの設計を多く手がけてきました。
分譲、賃貸問わずその延べ戸数は数千戸におよびます。
しかし、その多くは利益追求、商品性追求で本来集合住宅が共同住宅であるべきコミュニティの追求は置き去りにされたままです。

軍艦島として有名な長崎県端島は、その昔、炭鉱施設のほか超過密の共同住宅群の島でした。
そこには「一山一家」の言葉があるように、良好なコミュニティが存在していたのではないでしょうか。
しかし、石炭の枯渇のために人々が離島し廃墟となりました。

現代のマンションも、いずれは入居者の高齢化などいろいろな問題に直面するときがくるでしょう。
そのときにコミュニティの枯渇により、そこがスラムや廃墟になるのではないか…。
そんな危惧を抱きながらも、仕事として、クライアントの求めに応じてまたマンションの図面を描かなければいけない。
ジレンマの中で今日もまたCAD画面を前に図面を描いています。そして明日も。


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コメント 6

adam12

軍艦島ということで、奈良原一高さんの「軍艦島」の写真を思い出しました。

それはさておき、水田ゼミで建築の理想を学びながらも、実際は理想と現実のはざまで苦しんでいたのですね。(ふむふむ)

その苦悩の様子がこのローキーな絵に象徴として表れているようにも見えますね。

がんばれicarus♪
by adam12 (2008-03-12 00:39) 

icarus

ありがとうございます。がんばります!

元々ローキーな感じだったのですが、それでモヤ~とした雰囲気を出せたのではないかと思います。

軍艦島の写真集といえば、廃墟になってからのものが多く出版されていますが、私は、「軍艦島-海上産業都市に住む-(伊藤千行:写真・阿久井喜孝:文 岩波書店)」という本が、まだ端島に人がたくさん住んでいたころの写真が多く掲載され、生きている島の姿が見られるので好きです。
by icarus (2008-03-12 08:48) 

イチロー

おはようございます・・
建築の理想と現実ですかね・・建築のこと良くは判りませんが
住んで気づくこと、年とともに変わっていくこと、
いろいろありますが、楽しい記録と記憶が残る住まいになれば
いいですね。


by イチロー (2008-03-12 10:59) 

icarus

イチローさん

家というものは最初はただの箱ですが、そこで営まれる家族の生活が本当の”家”をつくっていきますよね。
そのスタートのお手伝いをできればと、日々思っています。
by icarus (2008-03-12 12:43) 

tomi8

設計って大事ですよね。 我が家はいい加減な設計で色々と問題が~ 直すにもお金が半端じゃなく掛かってしまうし... 


by tomi8 (2008-03-12 13:54) 

icarus

tomi8さん

そうですね、やはり設計はすべてのスタートなので大切だと思います。
しかし、建築士としての職能に責任と誇りをもっていれば、いい加減な仕事はできないと思うのですが・・・。
理想と現実の狭間でジレンマにもまれながらでも・・・。
建築に限らず、すべての仕事で同じことですよね。
by icarus (2008-03-12 15:12) 

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