高揚-退避-慰霊 [島]
(Nikon D90 / AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6G ED VR /
SILKYPIX Developer Studio Pro)
広島市の沖、約1kmに浮かぶ金輪島。
今年の初めに訪れた似島と同じく広島市南区の一部です。
そして、やはりこの島も先の大戦が終わるまでは軍の島でした。
周囲5kmほどの小さな島の沿岸部には野船舶本廠の造船施設が、山には探照灯陣地がありました。
そして海岸の絶壁に建つこのオベリスクは、戦意高揚のために建てられたものだとか。
碑文の戦意高揚を謳う文章は戦後削り取られたという話ですが、雑草の深く生い茂るそこには近づくことも
叶いません。
そして、島のあちこちには「ほらあな」がたくさんあります。
単なる洞穴ではなく、これらもまた戦時中の遺物である防空壕の跡です。
空襲のたびにこの島に駐留していた部隊が退避していたのでしょう。
また、やはり似島と同じく、原爆が投下された昭和20年8月6日には、数多くの負傷者がこの島に運ばれ、
そして多くの人たちがこの地で亡くなりました。
人気のない山の中に建てられた慰霊碑で静かにやすまれていることでしょう。
戦意向上や戦績賞賛の碑文は戦後GHQによって日本全国で削除され
ました。地元の神社の碑文も一部消されています。
by nd502 (2009-10-03 08:57)
>nd502さん
なるほどGHQの施策だったのですね。納得です。
by icarus (2009-10-04 23:15)
戦争の傷跡、そして忘れ去られていく悲しみ。
とてもとても勉強になりました。
有難う御座います。
by 広島ピアノ (2009-10-07 18:43)
>広島ピアノさん
街外れの小さな島にも戦争の傷跡がまだ残っています。
行かなければ知らなかったことです。
by icarus (2009-10-07 23:08)